DELTAでは、カナダの写真家ジョン・レイトナーの展示を行います。今年の展示企画案公募を経て、4月に3人の写真家を採択し発表しました。その採択者の一人であるジョン・レイトナー(1988年生まれ)のシリーズ『Normal and Boring(普通でつまらない)』から4つの大判作品をご紹介します。
「いつも私たちの周りに明確に存在している細部というものは驚異的に膨大な数だ。そしてその一つ一つには、物事を奇妙なものへと作り出す可能性がある。通常、大多数の人々は周囲に合わせて気づかないふりをしてきたので、(この膨大さに)圧倒されることなく人生を歩むことができる。私たちが一度に認識するものはせいぜい数個だ、例えば使っているもの、邪魔になるもの、必要なもの、意外なものなど。残りは当然のものと見なされたり、交通の往来とか通りがかりの人といった、より広く漠然と、まとめて認識される。たとえ気づいたとしても、このように漠然と認識したものが、一体どのくらい私たちの正常さ・普通さを変えるだろうか。時間をかければ、新しいものにも気づくだろう。正常さとは、異常さに対する衝撃から身を守るために作り上げられているものだ。正常さが予期せず解き明かされると、私たちが捉えていた全体像というものは変わる。」