毎年春に開催しているKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、今年で11年目を迎えることができました。約1ヶ月間、京都の街に点在する文化施設や寺院、京町家、さらには世界遺産の建物など19の会場で写真展を一斉に開催し、国内外からの来場者は、約24万人を記録することができました。
今年のテーマを「BORDER」とし、人と人の間の目には見えない「境界線」が、この世界ではどのような形で表れているかに焦点を当てた写真の展示を開催しました。例えば「国境」、「民族」、「性差」など。
また、KYOTOGRAPHIEの大きな魅力の一つには、作品が展示される空間についても丁寧に設計、デザインをしていることにあります。来場者のみなさんが京都の街を散策しながら、様々な角度から写真や展示空間に出会うことができるよう企画しています。
さらに、一般の来場者向けのアーティストによるトークイベントやシンポジウム、子供向けのキッズプログラム、写真家向けのポートフォリオレビューやマスタークラスといった、様々な人に開かれたパブリックプログラムも多く開催しています。
このように私たちは、写真を軸とした国際色豊かな文化や、人々が集まりたくなるようなプラットフォームを作り出したい、という思いを込めてKYOTOGRAPHIEを続けています。
今回の展示では、写真家・山内浩によるスナップ写真とともにKYOTOGRAPHIE 2023の様子をご紹介します。合わせて開催レポート(Closing Report)の冊子もご覧ください。
▍山内 浩
1974年大阪生まれ。1993年渡米、1998年アラスカ州の日刊紙アンカレッジ・デイリー・ニュースで写真家としてのキャリアをスタート。2006年帰国しフリーランス活動を開始。時事メディアを中心に国内外の媒体に掲載。2017年よりKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭のコアスタッフとしても活動。