KYOTOGRAPHIEは、2020年に出町桝形商店街でDELTA / KYOTOGRAPHIE Permanent Spaceをオープンして以来、アフリカの若手現代アーティストをアーティスト・イン・レジデンスとして迎え、京都のローカルな商店街とアフリカ文化をつなぐプロジェクトを展開しています。本年は、コートジボワール出身のアーティスト、レティシア・キイを迎えます。
キイは2024年12月に来日し、2週間に渡り京都に滞在しながら、寺院やお茶屋、料亭などを訪れリサーチを行いました。髪による彫刻と写真を用いて、キイならではの視点で、日本の風景や文化を表現した新作〈A KYOTO HAIR-ITAGE〉をKYOTOGRAPHIE2025にて発表します。
撮影ごとにホテルの一室で仕上げる個性溢れるそのヘアスカルプチャーは、歩くたびにすれ違う人の視線を集めました。その完成度の高さとキイのオープンマインドな性格が、自然と地元の人々の関心を引きつけました。さらに、料亭の大将や寺院の住職など、京都の人々との対話を通じて日本文化への理解を深め、そこから得たインスピレーションを独自に解釈し、再構築しています。京都の伝統や歴史を尊重しつつも、彼女自身の感性を重ねることで、京都におけるキイの独自の世界観が表現されています。
創作活動において最も大切にしているのは「自分のアイデアを現実のものとして形にすること」とキイは語ります。アクティビストとしてInstagramを中心に政治的・社会的メッセージを発信しているキイですが、本作では純粋に好きなことを楽しむ心境の変化が映し出され、これまでの強い眼差しとは異なる新たな一面を披露しています。
本作は、出町桝形商店街のアーケードとDELTAの2カ所にて展示されます。出町桝形商店街では帯を連想させる布地でキイの「しなやかさ」を表現し、DELTAでは凛とした掛け軸のような見せ方がキイの内面の「つよさ」を象徴しています。
▍レティシア・キイ| Laetitia Ky
自己愛、文化的アイデンティティ、エンパワーメントをテーマに活動するアーティスト、アクティビスト、起業家。イノベーティブな手法で知られるキイは、自身のプラットフォームを用いて黒髪の美しさと文化的意義を探求することでポジティブなセルフイメージを発信し、時として社会規範に異議を唱える。キイの作品、とりわけ髪の彫刻は、一人ひとりが自身のアイデンティティや境遇を肯定できるように人々を勇気づけている。キイはファッション、映画、文学の領域でも活動し、初の著書『LOVE AND JUSTICE』では、コートジボワールの平等をうたう活動家であるキイの視点が言葉と画像とともに解き明かされている。
▍展覧会概要
Laetitia Ky| レティシア・キイ
「A KYOTO HAIR-ITAGE- KYOTOGRAPHIE African Residency Program」
2025年4月11日(土)- 2025年4月12日(日)
時間:11:00–18:00
休館日: 4月14日・21日・28日、5月7日
会場:DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space
(602-0826 京都市上京区桝形通寺町東入三栄町 62)