DELTA / KYOTOGRAPHIE Permanent Spaceではイベント、ワークショップ、教育イベントなど、活発で多面的なプログラムを提供する「DELTA Académie」を開催いたします。
2025年後期は、現代写真研究者の北桂樹氏をお迎えし4回の連続講義を行います。
歴史上もっとも写真が生活に密接し、近しい存在になった現代、北氏が考える「POST/PHOTOGRAPHY(ポスト・フォトグラフィ)」という概念を元に、写真を使用し表現をするアーティストの作品を紐解きます。
▍趣旨
本講義シリーズでは、「POST/PHOTOGRAPHY(ポスト・フォトグラフィ)」という概念を軸に、アナログからデジタル、インターネットとスマートフォンの普及、そして生成AIの登場によって大きく変容し続ける写真というメディアの現在を考察する。 写真がテクノロジーとの関係の中で、いかにその領域を拡張し続けているのだろうか。現代写真理解のための重要な論者やアーティストの作品を参照し、表象論に陥らない写真表現への理解を深めることで、写真表現の拡張を捉えるための思考のヒントを探る。
▍「TAKE」から「MAKE」へ ——「撮る」の次を考える
参加費 (各回):対面参加 1,000円(1ドリンク制)/オンライン参加1,500円 ・学生1,000円
申込先:こちら
会場:DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space
(602-0826 京都市上京区桝形通寺町東入三栄町 62)
* 1回のみの参加も可!
▍概要
・第1回
タイトル:POST/PHOTOGRAPHYは写真の概念を再構築するか?
日 時:2025年11月23日(日)19:00–20:30
現時点での「POST/PHOTOGRAPHY」に対する定義を共有。フルッサーの「テクノ画像」やコットンの「写真の物質性」といった概念を元に、トーマス・ルフをはじめとした現代写真の作品を通して、「TAKE」に限定されない写真表現についての理解を進めます。
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・第2回
タイトル:写真とアートとの関係性—何が写真をアートにするのか?
日 時:2026年1月18日(日)19:00–20:30
写真がアートになるには何が必要なことなのか?綺麗な写真はアートなのか?テーマ、コンセプト、コンテクストといった要素がどのように制作物をアートにしていくのか?コンセプチュアルアートとの関係が写真に与えた影響をジェフ・ウォールなどのアーティストの事例をあげて紹介します。
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・第3回
タイトル:拡張する写真—システムとテクノロジーが拓く新たな表現
日 時:2026年3月15日(日)19:00–20:30
写真表現がいかに拡張されてきたかを、システムと技術の側⾯から考察します。ワリード・ベシュティ、ルーカス・ブレイロック、ジョン・ラフマンらの作品を例に、産業システムやデジタルツール、AIなどテクノロジーの進歩が写真にもたらす変化を探ります。
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・第4回
タイトル:展示と介入—写真の新たな可能性を広げるイメージの生態学とは
日 時:2026年5月5日(火)19:00–20:30
ゲスト:中川もも
KG+2025でも展示をし、その後アルル国際写真祭(フランス)、T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO(日本)、OFF Bratislava(スロバキア)と国際的に活躍の場を広げるアーティストの中川もも氏をゲストに迎え、近年展開するイメージの生態研究というコンセプトメイクと表現の実践について迫ります。
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▍講師
北桂樹|Keiju Kita
現代写真研究者。京都芸術大学大学院にて博士号(学術)を取得。 現代アートにおける写真表現を、テクノロジーとの関係性から「POST/PHOTOGRAPHY(ポスト・フォトグラフィ)」として分析。特に、デジタル化以降の予測不能な変化の中で生まれる新たな現代写真表現を「写真変異株」と捉え、その動向を追う。主な論文に『POST/PHOTOGRAPHYの2020年代の展開を論考する』(学術論文、2023年)があるほか、各種メディアへの寄稿やトークイベント登壇など、アカデミックな領域に留まらない活動を展開。本講座では、その研究の一端を分かりやすく解説します。