DELTAでは、KYOTOGRAPHIE/DELTA 2023 展示企画の公募で選ばれたギョーム・ホルツァーの写真展を開催いたします。
ギョーム・ホルツァーはパリを拠点に活動するアーティストで、写真というメディア、関わる被写体の両方を通して、空間、限界、移動、消失といったテーマに紐づく要素を探求しています。
「NOMADISM」は、ホルツァーがインドネシアで「海の遊牧民」と共に珊瑚礁の保全に尽力した8年間を密に凝縮したシリーズで、その活動を通して彼はノマディズムと自由について思索を深めています。このプロジェクトは、場所、移動性、アイデンティティの関係をめぐる旅を展開し、バジャウ族とブギス族の歴史的進化およびノマディズムの世界観をたどる語りに見る人を誘います。
本展では、手漉き和紙のプリントおよびアーティストが手製した限定版アートブックを展示いたします。ホルツァーが現在も探求を継続しているこれらの表現手段を通して、写真の背後にある物語を様々な角度から探り、その核心に触れていただければと思います。
▍ギョーム・ホルツァー
写真というメディアと被写体の両方を通して、空間、限界、移動、消失といったテーマを追求。同時に郷愁や永遠を想起させる場面も探る。支持体を自作、手作業で乳剤を塗布することにより、刷毛跡、刷毛目の不規則性、紙の質感を残す。プリントに使用する素材の研究は継続的に行っている。
20歳で開始した旅は10年に及ぶ。英国とオーストラリアで経済学を学び、珊瑚礁の保全を目的とするNGOを共同設立。ブリティッシュ・コロンビアのファースト・ネーション、コモドのバジャウ、イースター島のラパ・ヌイなど、さまざまな国の民族コミュニティと協働。2017年、パリに戻る。ルーブルで学び、故エリック・グリエルミのラボラトリーを統括、写真プロセスの技術知識の深化に努めている。