出町柳は、福井県の若狭湾から京へと続く鯖街道の終着点です。鯖街道は単に魚や物資を輸送する経路ではなく、古くから人々が交流し、文化も運ぶ道でした。この出町柳の桝形商店街中ほどに建つDELTA / KYO-TOGRAPHIE Permanent Spaceはかつて魚屋があった場所です。人と人の直接的な交流が希薄になりつつある現代、この場所の記憶とともに、「人」「魚」の営みをそれぞれの視点と技法で表現する鈴木健太郎と吉野央子の作品を通じて、時代を超えた人と物資の移動や文化と風習の交流が育んできた「繋がり」を見つめなおしたいと思います。
*本展は、キュレーションを実践的に学ぶ京都精華大学芸術学部の授業「現代アートプロジェクト演習4」の受講生が企画・運営するものです。