今年で9回目となるKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、世界屈指の文化芸術都市・京都を舞台に毎春開催される、日本でも数少ない国際的な写真祭です。本写真祭を企画する上で最も重要な要素の一つが、趣のある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間が持つアイデンティティーを最大限に活用した展示空間デザイン(セノグラフィーデザイン)と言えます。
本展では、この「セノグラフィーデザイン」の認識を広げ、展示空間づくりにおけるデザインの重要性や、印象的な体験型エキシビションとしていかに成立させてきたかなどを紹介いたします。これまで写真祭の展示空間をKYOTOGRAPHIE と共に作り上げてきた空間デザイナーの小西啓睦と建築家の遠藤克彦に焦点を当て、両氏による展示空間の制作過程を2期に分けて展示いたします。
小西啓睦展(2月26日 ー 3月16日)では、2014年の第2回 KYOTOGRAPHIE の西野壮平「Diorama Map」から2020年のマリー・リエス「二つの世界を繋ぐ橋の物語」まで、展示の空間構成のプロセスやアーカイブを時間軸に沿って紹介いたします。遠藤克彦展(3月20日 ー 4月6日)では、2019年のアルフレート・エールハルト「自然の形態美ーバウハウス100周年記念展」と2020年のウィン・シャ「一光諸影」を中心に、展示の空間デザイン過程に欠かせない設計図や模型を初公開いたします。
本展を通して「セノグラフィーデザイン」への理解が深まり、展示会場としての建築空間と写真作品との融和性、そして多種多様な空間デザインの可能性を楽しんていただけたら幸いです。なお今回の KYOTOGRAPHIE 2021では、新たな試みとして、写真祭開催期間中に設置される「KYOTOGRAPHIEインフォメー ションセンター」のセノグラフィーデザインのコンペを開催いたします。募集要項など詳細はこちらよりご覧ください。
*本展は「BASE(Bank for Art Support Encounter)」の活動に向けたプレ事業「KYOTO BASEd」の一環として行われます。「BASE」とは、2020年7月に京都の現代芸術の創造発信拠点として活動する5つの団体(「DELTA / KYOTOGRAPHIE Permanent Space」「kumagusuku」「THEATRE E9 KYOTO」「出町座」「CLUB METRO」)と「京都信用金庫」とともに立ち上げられました。ホームページ:https://kyoto-base-d.info/
*会期変更のお知らせ:
変更前:2021年2月26日 ー 3月30日
変更後:2021年2月26日 ー 4月6日まで 会期延長