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DELTA

PROJECT

  • Installation view of K-NARF & SHOKO "PHOTOGRAFFITI"

2020.12.18 ー 2020.12.29

K-NARF & SHOKO
PHOTOGRAFFITI

何気ない日常の風景を独創的な視点で記録写真にし、その中にある美しさを再びストリートアートや平面作品として描き出す日仏アーティストデュオ、K-NARF & SHOKO。
今回はK-NARFが2011年に発表したトラックシリーズを中心に日本で初めて展示します。Tape-o-graphという独自の手法を用いたこのシリーズは、トラックのグラフィティの荒々しさと呼応するように、画像の一部を剥がし取り、パリの風景とトラックに新しく自由な見方を提示してくれます。

 

約10年前、フランス人アーティストK-NARFはシンガポールに住んでいました。彼は最も清潔な街の一つシンガポールと、それとは対照的とも言えるパリの間を頻繁に行き来する中で、それぞれの環境の違いに大きな衝撃を受けました。特にパリでよく見かける配達用トラックに施された鮮やかなグラフィティに目を奪われました。彼はそれらグラフィティを記録し、多くの写真を撮りました。トラックのグラフィティは、一時は非常に流行し、フランスの首都のいたるところにありました。汚れ一つない白いトラックを見ることはめったになく、政府はこの行為を止めさせるためグラフィティアーティストに対して非常に厳しい対応を取りました。

パリの多くの人々(特にトラックの所有者)は、このアートフォーム(=表現の形)を嫌っていましたが、K-NARFはトラックを別の視点から眺め、街なかの美しいアートエキシビションとして考えるようになりました。同じように、視点を変えるとハト(これもパリのいたるところに居て、嫌われている)は美しい鳥として見ることができます。

当時、K-NARFはストリートフォトを再解釈した作品であるPHOTOGRAFFITIを、ストリートアートとして発表していました。パリ、ニューヨーク、ミラノ、シンガポールで展示されましたが、日本では初展示となるこのグラフィティ・トラックシリーズには彼独自の写真加工技術が使われています。

日本でグラフィティは固く禁じられている為、会場では来場者が実際に配達用トラック(パリの実際のトラックよりは少し小さいですが)に好きなグラフィティを施せるようにトミカトラックを用意しました。