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DELTA

PROJECT

  • ©︎ Prince Gyasi

2022.4.9 ー 5.8

KYOTOGRAPHIE 2022|プリンス・ジャスィ「いろいろ  アクラ──キョウト」

Supported by 京都中央信用金庫
共催:出町桝形形商店街、京都新聞

KYOTOGRAPHIEでは2020年からアフリカのアーティストを招聘し、グローバルなアーティストとローカルな商店街をダイレクトにつなげることで新たな表現を生み出すプログラムを実施している。本年はスマートフォンから作品制作をはじめたガーナ出身のプリンス・ジャスィを招聘する運びとなった。色と色の相互作用、そして色から連想されるものに注意を払いながら、自分の作品が見る人にポジティブな影響を与えるように心がけていると語るプリンスと、様々な色が混在している出町桝形商店街とのコラボレーションとなる本作品は、私たちに眠るあらゆる感覚を呼び起こすことだろう。
人が対面でコミュニケーションをしながらものを売り、ものを買う。そこにはものの魅力だけでなく、人が持つ魅力がある──日本でもアフリカでも古くから現在まで続く商店街や市場という人の営みの場がこれからも続くことを、そして人々が多様性に寛容であり一人ひとりの個性を尊重する社会であることをKYOTOGRAPHIEは願っている。

 

▍アーティストについて

1995年生まれ、ガーナ出身のヴィジュアルアーティスト。 高校時代に携帯電話を使って身の周りの写真を撮り始めて以来、精力的に携帯電話を使った創作活動を続けている。ジャスィは、大胆で希望に満ちたイメージを創造し、社会から取り残されがちな人々の物語を伝えている。彼の多くの作品は故郷であるガーナの首都・アクラにて制作され、周囲の風景やコミュニティを自身の「ミューズ」としてモチーフに使用している。ハイパーカラフルなプリントは、父性、母性、子供時代など、ジャスィの人生と結びつきのある人々がおりなす人間の原理的な感情を表現している。ドラマチックで光あふれる風景や鮮やかな背景に配置された魅力的なシルエットを通じ、レジリエンス(しなやかさ)と強さの両方をiPhoneにて表現している。ジャスィの作品は、黒人の肌の気高さと優美さを表現しており、優性的な美の概念に対する異論を鑑賞者に提示している。膨大な才能、意欲、インスピレーションを持ち合わせていたジャスィは、写真制作を始めた当初より、携帯電話が本格的な創作ツールかつ表現手段となり得ると確信した。そして携帯電話で制作した作品とともに慣習を打ち破り、アートシーンのエリート主義に一石を投じている。ジャスィはプロフェッショナルのアーティストであると同時に、アクラのジェームスタウンに住む恵まれない子供たちを支援する団体「Boxed Kids(「抜け出せない場所や状況に閉じ込められた子供たち」という意味)」の共同設立者でもある。